寂寥の薫─能《楊貴妃》─

京都文化博物館 別館ホール(国指定重要文化財)

2015.6.28

構成・振付・出演:ボヴェ太郎
笛:竹市 学 大鼓:河村 大 地謡:吉浪壽晃、田茂井廣道

舞踊家ボヴェ太郎による、能《楊貴妃》を題材にした能楽との共演作品。空間を知覚し、感応してゆく「聴く」身体をコンセプトに、歴史的建造物や庭園、美術館等、様々な空間で創作を行なっているボヴェ太郎。近年は〈ことば〉や〈音〉によって立ちあがる空間への関心を強めています。観る者の想像力に働きかけ、余白の中に作品世界を立ちあげてゆく能の構造に着目し、これまでに古典曲の《杜若》、《井筒》、《葵上》、《江口》、《野宮》を題材にした能楽との共演作品を手掛けています。能の上演形態を大胆に削ぎ落とし、濃縮された能の世界にボヴェの舞が出逢うことで、古典曲が内包している新たな魅力に迫ろうとする意欲的な試みは、各界から注目されています。
この度は、 国の重要文化財にも指定されている貴重な歴史的建造物「京都文化博物館 別館ホール」を舞台に、実力派の能楽師を共演に迎えて、能《楊貴妃》の世界に挑みます。能《楊貴妃》は、今から600年程前の能の爛熟期に、白居易の長恨歌を基に金春禅竹が創作したとされる、恋慕・哀傷の趣を格調高く描いた名曲で、能の中でも《定家》、《大原御幸》と並んで、特に品位が求められる作品とされています。会場となる「京都文化博物館 別館ホール」は、日本銀行京都支店として、明治39年(1906年)に東京駅の設計で知られる辰野金吾によって建てられました、日本の近代建築を代表する建物の一つです。レンガ造りの吹き抜けの空間は豊かな残響を湛え、能楽堂での上演とはまた違った趣の魅力をもたらしてくれることでしょう。この度は、空間の特性を踏まえた小編成の囃子と謡による、余白を重視した構成を通して、作品の繊細な魅力に迫ってまいります。様々な時代・地域の意匠が響き合う壮麗な空間を舞台に、能楽と舞の呼応が紡ぎだす幻想的な《楊貴妃》の世界にご期待下さい。

照明:吉本有輝子
衣裳製作:砂田悠香理
舞台監督:浜村修司
広報デザイン:外山 央
主催:Taro BOVE Dance Performance

映像記録をご覧頂けます
https://www.youtube.com/watch?v=4nDHB2V5v3U